記者の眼記者の眼

第274回 (2024年12月4日)

 スマホ1台あれば、多くのことができる時代になった。技術の進歩はすさまじいものだが、一方で、加齢とともに自分が技術に置いてきぼりにされはしないかと、焦る気持ちが募るのも事実。50歳代も半ばに差し掛かり、新しいことに挑戦するハードルは年々高くなるが、敢えて加齢に抗おうともがいている。

 

 通勤電車や新幹線のチケット購入はスマホ決済。寒い朝、マイカーの暖気運転も室内からボタン1つだ。マンションのエントランス、玄関キーもアプリをインストールして手元で開錠が可能になった。世界のどこにいたって楽々と自宅のカギを開けることができるのだ。

 

 次に検討するのは自動運転が可能なマイカーの導入だろうか。完全自動運転は実用化には至っていないが、既に高速道路での運転アシスト(補助)機能の精度はかなり高い。眠っている間に、自動車が目的地まで運んでくれる未来はもうすぐだろう。

 

 しかし、便利なツールを手に入れたからといって安心してはいけない。カギを自宅に置いて出かけたある日のこと。その日に限ってネット回線に不具合が生じ、開錠ができなくなった。結局、このときは深夜にもかかわらず、近所に住む高齢の両親宅に預けておいたスペアキーを取りにいかざるを得なくなった。

 

 最新のテクノロジーは常に万全とは限らず、技術の進歩には常に光と影もある。エネルギー業界も例外ではないだろう。加齢に抗いながら、もうしばらく技術の進歩に目を凝らすことにしたい。

 

   

(二川)

 

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