記者の眼記者の眼

第267回 (2024年10月16日)

 日本人バスケットボール選手が、全米バスケットボール協会(NBA)でのプレーを目指して挑戦している。日本代表の河村勇輝選手だ。これまで、日本人がバスケットボール最高峰のNBAに挑戦するには高校もしくは大学から渡米するか、オフシーズンに開催されるサマーリーグに参加してNBAのスカウトからオファーをもらうのが一般的と言われてきた。サマーリーグには各国の若手選手が参加し、自身の才能をアピールする。河村選手は日本のバスケットリーグBリーグに所属しながら、2023年のFIBAワールドカップおよび2024年のパリ五輪の活躍を経て、NBAチームからオファーを獲得した。非常に画期的なことであり、今後は日本人のNBAへの挑戦の前提が変わるかもしれない、と筆者は思った。

 

 私が仕事で携わるエネルギー業界でも、これまでの前提が変わることはあるだろうかと、ふと考えた。日本は依然として化石燃料を使用した火力発電の割合が高く、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどのクリーンエネルギーの割合は依然として低い。天候によって発電量が左右される、設備コストおよび資源の運搬コストがかかることなどが課題となっているようだ。しかし、最近はこれらを補助する法整備も進み、クリーンエネルギー導入に動く企業も増えていると聞く。24年は、政府が3年振りにエネルギー基本計画を見直しており、年度内に第7次基本計画をまとめる予定だ。エネルギー業界も時代に適応して、前提を覆して欲しいと願うばかりだ。同時にNBAに挑戦する日本人の活躍からも目が離せない。

  

(徳武)

 

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