記者の眼記者の眼

第281回 (2025年1月27日)

 昨年のパリ五輪で銅メダルを獲得した総合馬術の「初老ジャパン」。日本馬術界では1932年のロサンゼルス大会以来、92年ぶりのメダル獲得となり、大いに盛り上がりを見せた。かくいう私も、馬場馬術を始めて十数年。その間に日本の馬術界がこんなにも盛り上がりを見せたことはなく、私自身も大変興奮した。

 

 乗馬を趣味として嗜む場合、乗馬クラブに会員として登録し、レッスンを受けるのが一般的だ。このところそのクラブの費用が高騰し、ややお財布事情が厳しくなってきた。その理由として、「諸般の事情に伴う燃料や物価高」との通達が。確かに、馬を洗うための水道代、給湯のガス料金、餌となる飼料や乾草価格、人件費など、数え上げてみれば、費用の高騰は仕方がないのだろう。

 

 ここで、エネルギー業界の記者として注目したいのが飼料や乾草コスト高について。バイオ燃料需要が右肩上がりに伸びはじめ、原料調達の競争に伴って大豆やトウモロコシ価格もこれまでより割高に推移している。いずれもバイオエタノールの原料にもなっており、燃料需要の拡大に伴って先物価格も上昇傾向にある。異常気象による収穫量の減少や円安傾向、船舶による輸送コスト高もあって、飼料や乾草の輸入価格が高騰している。これが所謂、「諸般の事情に伴う物価高」の背景の1つとなっている。

 

 そんなことを言われても、美しくかわいい馬の瞳に見つめられれば、コスト高も仕方がないと思うこの私。給与の大半を、4本足の相棒に貢ぐ人生も悪くない。

 

  

 

(山岡)

 

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