記者の眼記者の眼

第277回 (2024年12月25日)

 人手不足でスーパーやコンビニエンスストアなどでセルフレジの普及が進んでいる。精算機の周りを見渡すと、目を見張るようなきれいな有料のエコバックが陳列されている。環境配慮とエコ意識の高まりから、エコバックを買って使う人が増えている一方、日々ゴミ袋として使うレジ袋がなくなり、結局ゴミ袋を購入せざるを得ない。レジ袋有料化が本当に環境にやさしく、エコなのか疑問を抱いている。

 

 11月にスペイン東部を襲った記録的な豪雨で200人以上の死者が出た。同国の水害では過去最多という。わずか1時間で1カ月分の雨が降り、急な増水で河川の許容量を超えてしまったようだ。河川の氾濫が甚大な被害がもたらし、いまだに多数が行方不明という。近年、このような極端な猛暑や豪雨といった自然災害が身の回りで頻発している。地球温暖化が進んでいることを実感する。一方、世界の国々が持つ強みを活かし、脱炭素社会に向けた様々な取り組みが始まっている。新エネルギーを開発、自然エネルギーの活用、化石燃料車両から電気自動車(EV)への移行などだ。

 

 しかし、こうした動きに水を差す動きも世界で続いている。国際紛争、内戦や貿易摩擦などがエスカレートしている。複雑化する国際情勢下で、各国が協力してきた取り組みにブレーキにかかっている。日常生活の些細なことから複雑な国際情勢まで、エネルギーや環境問題にかかわる事象に、客観的、多角的な視点を持って目を凝らしていきたい。

 

(方)

 

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