記者の眼記者の眼

第271回 (2024年11月13日)

 10月から研修でシンガポールに来ているが、蒸し暑い気候のため、街を行く人の服装は宗教的な理由で肌を隠している人を除けば、半袖、ノースリーブ、サンダルが圧倒的に多い。しかしアパレルショップを見ると、夏物に混じって秋物と思しき長袖の服やコートもあり、この気候でいったいどんな人がこれらの服を買うのだろうかと、素朴な疑問が湧いてくる。今のところ買っている人を見かけず、一度混み合っている店に行ったがほとんどの客は夏物を買っているようだ。シンガポールの秋物はどこに行くのかという疑問は解消されていない。

 

 四季がある日本でもだんだんと秋物が売れなくなっているという話を聞いた。今年は9月や10月になっても真夏日、夏日が続き、朝晩は肌寒くなってきたとはいえ、日中はおよそ秋らしい気候とは言いがたい日も多かった。こんななかでは夏物の出番がいつまでも続き、秋物を手に取りにくくなっている。リムもクールビズ期間を10月末まで延長した。

 

 寒くならないということは、暖房用の灯油も出荷が伸びない。国内の石油卸業者に取材しても、10月は特に灯油の出荷が悪いとの声が多かった。気象庁が1031日に発表した1カ月予報によると、11月は平年に比べ気温の高い日が続くようだ。

 

 このまま温暖化が進めば、日本は「二季」になるという嫌な話も耳にした。気象庁の1カ月予報に付随している真っ赤日本地図を見ていると、不安になってくる。

   

(原)

 

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