記者の眼記者の眼

第210回 (2023年8月30日)

 宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」を観て、同タイトルの小説を手に取った。断っておくが、両作品の作者は異なる。独身時代の自分だったら生意気にも、「どうも説教臭い表題と中身に辟易」として、作中の主人公コペル君と同じ小学生のころには、「自分もそのようなことを考えていただろう」と高を括っていたかもしれない。

 

 ただ、来年、こんな自分も男の子の父になるという境遇になって、この小説から新しいものの見方の発見があった。なるほど、父親として自分の子をどのように育て、この作品をどのように伝えていくかという観点で読んだ時、非常に興味深く、その考察は果てがない。かくも育児とは難しいものかと夢想し、気が遠くなると同時に楽しみが増えた。

 

 本作の主張を端的に言えば、「俯瞰的なものの見方の大切さ」ではなかろうか。その観点から、最近気になっていることについて俯瞰して考えてみた。

 

 結婚して第一子誕生を控える身になって思うのは、家族世帯には規模の経済が働き、とても経済的ということだ。以前は趣味に生き、独身生活を謳歌していたが、無駄も多く環境への負荷が大きかったなどと考えてみる。ただ、これも俯瞰すれば、家族が増えることによって温暖化に繋がっているともいえる。とりとめもない話になったが、来年、一児の父になる個人的な記者の眼としてお許し頂きたい。

 

(横井)

 

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