第240回 (2024年4月10日)
今年も球春が到来した。米メジャーリーグでは、スーパースターの大谷翔平選手がロサンゼルス・ドジャースに移籍し、新たな活躍が期待される。こうしたなか、元専属通訳の水谷一平氏による違法賭博疑惑が発覚し、世界中を驚かせた。
このコラムを書いている4月3日時点では、多額の資金の流れなど不明な点が多いが、疑惑が発覚した当初は、「大谷選手がこの問題を知っていて資金を送った」という見方が多かったように思う。大谷選手が記者会見を開いて、「自分自身は全く知らなかった」とはっきり述べるまでは、様々な憶測の記事なども見られ、大谷選手の責任を指摘する声すらあった。
情報というのは、それが正しい、正しくないに限らず、人々に大きな影響を与えうる。株式などの世界では「風説の流布」という言葉があり、虚偽の情報を流すことは日本では金融商品取引法で禁止されている行為だ。
「たかが情報」ではあるが、情報はその人の人生を大きく変えてしまう力がある。リム情報開発では、取材をしてその日に取引された価格を抽出し、レポートで公表する。意図的でないにせよ、誤った情報を流せば読者に不利益を与える可能性もある。記者としての自身の責任というものを改めてしっかり考えつつ、大谷選手には外部の声に臆することなく、さらなる活躍を期待したい。
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